厚生労働省の発表によると、待機児童はここ数年で減少傾向にありましたが、共働き世帯の増加などに伴い、15年10月時点で4万5315人と5年ぶりに増加しており、そのうち約9割を3歳未満の低年齢児が占めるとのことです。また、求職活動をやめたなどの理由で自治体が待機児童に算入していない児童を「隠れ待機児童」といい、同年4月時点で約6万人に上っています。このように働き方が多様化する状況で、経営者としてどのようなご意見をお持ちか、また対応についてどのように検討されているのか、パッションリーダーズ会員の皆様にお伺いしたくアンケートさせて頂きました。
7割近くの経営者が、ご自身、もしくは従業員の方々が待機児童問題に直面していないと認識していることがわかりました。専業主婦になられる方が多い、婚姻者が少ない、お子様がいらっしゃる家庭が少ない、もしくは従業員が問題に直面していたとしても、解決せずそのまま退職に至っている可能性も考えられます。そこで今回は、「ある」と答えた経営者の方々の回答から、待機児童問題の企業内での対応、現状を導き出していきたいと思います。
仕事を継続したと判断できるのは、約60%です。一方で働くことをやめてしまった方は、全体のおよそ2割を占めます。働く意思がありながらも、働く環境を整えてあげることができずに退職に至ってしまうのは経営者にとっても、心苦しいことでしょう。
様々な制度がある中で、はっきりと確立されているものと、そうでないものが明確に表れました。[1]短時間労働、[2]産前・産後休暇、[3]育児休暇、[5]時間外労働免除、[9]学校行事休暇、この5つに関しては「実施している」ところが半分近く占めており、「検討中」もあわせると7~8割近くになりました。結果、企業の中でも深く浸透していることがわかります。一方で、[4]④相談窓口の設置、[8]託児所の設置など会社側が、人員や場所を用意するなどの懸念事項があるためか、「実施しない」が半分以上を占め、明確な意見を表示されています。 各企業とも、できる範囲での制度を実施していますが、国や自治体が待機児童問題に取り組まないことには、企業の成長も伸び悩んでしまうのではないかと思います。また、待機児童問題に直面していない企業様も、先を見据えながら準備していくことは今後必要になってくるでしょう。
参考
安倍晋三内閣総理大臣も、「待機児童対策」として政府の施策を打ち出しています。
首相官邸ページ http://www.kantei.go.jp/jp/headline/taikijido/
また、企業の子育て支援体制を推奨する法廷に関する「くるみん」認定マークというものがあります。
厚生労働省 「くるみん」認定マーク http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/
「くるみん」マークを取得している主な企業
GMOインターネットグループ:GMOの取り組み
※アンケート実施日:2016年5月18日~6月3日
パッションリーダーズでは、次代を担う経営者の本音、経済状況の本当を社会にアピールし、よりよい日本社会を実現することを目的とし、≪パッションVoice≫と題し、アンケート活動を行っております。
第12回パッションVoice:「残業について」
第11回パッションVoice:「企業のセキュリティ対策」
第10回パッションVoice:「経営者の夏休みに関する意識調査」
第9回パッションVoice:「女性社長の活用について」
第8回パッションVoice:「待機児童問題について」
第7回パッションVoice:「電力自由化について」
2015年6月3日(水)
第6回パッションVoice:「体育会系採用とスポーツ関心度調査」
2015年1月16日(金)
第5回 パッションVoice:「消費税率再引き上げについて」
2014年11月6日(木)
第4回パッションVoice:「2016卒採用に向けた"採用時期の繰下げ"の影響 について」
2014年9月24日(火)
第3回パッションVoice:「日本政策投資銀行 アジア進出支援ファンド設立について」
2014年6月26日(木)
第2回パッションVoice:「東京オリンピックへの期待にtuite」
2014年4月21日(月)
第1回パッションVoice:「賃上げについて」
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